記事作成者:楠麻衣香
こんにちは、ストレングスコーチのくすのきまいかです。
普段はストレングスプロデューサーとして、
世代研究を通じて主に20代若手や30代のの成長支援をしています。
各社新入社員が入社して1ヵ月が経ちました。
新人にストレングスファインダー®を受けてもらって
育成に活用しよう、という企業も多いようですが・・・
その使い方、間違っていませんか!?
ということで、今日は新人・若手社員へのストレングスファインダー®活用法をお伝えしましょう。
まずは、ストレングスファインダー®を使うにあたってのスタンス編です。
スタンス1:強みなんて知ったら好きなことしかやらなくなるんじゃないの!?
これ、よく人事やマネジャーの方(年配?ベテラン?)から聞く言葉です。
が、
ワクワクすることで成果が出るならどんどんやらせればいいじゃないの!
というのが私のスタンスです。
というか、ストレングスファインダー®を開発しているGallup社のスタンスでもあります。
人は自分の強みを使っているときはそうでないときより
生産性が6倍も高い(!)というデータもあるほど。
でも「好きなこと”しか”」やらない、はいけません。
これはビジネスというフィールドに立った以上、
強みを発見しようがしまいが、新人の成長に必要な経験をさせること、
もっといえば成果を出すために行動をしなければいけないことには変わりありません。
どのような環境でも自分の得意領域で勝負ができるような人材を作るためには
とても有効なツールだといえると思います。
スタンス2:採用や配置に活用しない
これも多くの組織でよく誤解されている事象として見受けます。
正確に言うと、配置に活用するのはNGではないのですが、注意が必要。
なぜなら、
ストレングスファインダー®はWHATではなくHOWのツールであり、
採用ではなく人材開発のためのツールだから。
例えば、
「達成欲®が無いから営業へは配属しない」
のではなく、
「達成欲®は無くても、上位資質の内省®を使ってどうやったら営業として結果をだせるか」
を考えるためのツールなのです。
ストレングスファインダー®からは本人に何が適職かはわかりません。
新入社員にとって配属は一世一代の関心ごと。
最近は「なぜ自分はこの部署に必要とされたのでしょうか」
と聞いてくる新人も多いですが、
配置とは企業組織の全体最適を見ての戦術であって
個人のニーズに応えるものではないこと、
どのような環境でも結果を出せるように努力することが新人の成長の第一歩であること、
その際に、自分の才能をどう使えばよいかを一緒に考えること
をぜひ伝えていきましょう。
ということを踏まえ、新入社員へのストレングスファインダー®活用法3つをご紹介!
活用法その1:苦手なことや理不尽なことに挑戦させる!
「強みの開発」と真逆のこと言ってない!?
いえいえ、そんなことは無いんです。
テストを受けて出てくる資質トップ5そのものは、実は強みではありません。
皆さんがよく使ったり持っている才能(武器)の5つが表れています。
例えてみれば「はさみ」のようなものです。
上手に使えば、1枚の紙から素敵な芸術作品を作って感動を与えることができますが、
下手に使うと自分や他人を傷つけることにもなりかねません。
新入社員はまだまだ社会人としても成人発達の見地からも未熟です。
上位資質を強みとして使えていないことも多々あります。
つまり、
自分の持っている才能を、強みとして使えるようにトレーニングする必要があるのです。
才能を強みに変える一番の方法は
「自分の苦手なことや理不尽な環境でも求められている成果を出そうともがいてみる」こと。
この「成果を出そうとする」ことがとても重要なポイント。
いまどきの新人さんは、生きてきた時代背景から
ほか世代よりも周囲からの評価をとても気にします。
ややもすると、周りからどう見られているかを気にしすぎて
嫌われないようしよう、という軸で行動をとることがあります。
そうではなく、求められている成果を出すために何ができるか、
を考えさせ行動を後押しすることで、
自分の才能を使って結果を出すことができるようになります。
でも、いつもいつもうまくいくことばかりではありません。
心が折れてしまいそうなときは・・・
活用法その2:失敗・成功の理由を資質を使って対話する
例えば、1本メールを送っておいて、と新人に依頼していたとしましょう。
しかし、待てど暮らせどメールが来ない。
依頼した先輩はせいぜい10分くらいでメールが来るだろうと思っていたので
心配になって新人の席まで行ってみると
1時間たった今もパソコンの画面ににらっめこしてながーいメール文章を書いています。
「なんでそんなに時間かかってるの、要件だけでいいからさっさと送ってよ」
と、言いたい気持ちはわかりますが、そこはぐっとこらえて。
求める成果の基準
(たとえばメール1本は15分くらいでかけるようになるといいね)を
伝えた後に
「なんでこんなに時間がかかったんだろうね?どの資質がそうさせたと思う?」
と問いかけてみましょう。
もしくは
「あなたの共感性®が相手のことを考えすぎてメールを長くしてしまったんだね」
とフィードバックをし、その後対策を一緒に考えていきましょう。
「あなたのここがだめ!」
と言われると人は受け入れがたいですが、
「〇〇という資質が暴走した/無駄使いしてしまった」
を言われると、
二人の間で「暴走してしまった資質を扱う」モードになるので
指摘された本人も失敗を扱いやすくなるのです。
(これを心理学的に外部化といいます)
こうしたことを繰り返すとどうなるか。
新人はそのうち、自分自身で成功・失敗の原因を内省できるようになり、
経験学習サイクルを回せるようになっていきます。
自分で考えて自分で動けるようになる、自走する力が育っていくのです。
半年もすれば、指導担当の先輩はとっても育成が楽になるにちがいありません。
活用法その3:できない言い訳にしない
なかには
「私にはコミュニケーション®がないからプレゼンがうまくできない」
「私は達成欲®がないから目標は達成できない」
と言い訳に使ってしまうケースもあります。
これは絶対にダメです。
先述のとおり、上位資質は私たちが普段から使っている武器。
この武器をどう駆使してどう工夫をしたら
求められている結果を出せるようになるかを考えていきましょう。
その際に大切なことは「自分の上位資質をうまく使ってみる」こと。
例えば、コミュニケーション®が無くて…という場合
上位に戦略性®を持っている方は、
このプレゼンテーションでは何を持って帰ってほしいのかという
「ゴールを設定」します。
そして聴衆はどんなニーズがあるのか、過去に類似の場はなかったか、
自分がプレゼンしようとしている内容と似たものはないか、といった
様々な「情報を収集」して、
最もゴールの実現に近いシナリオは何かを組み立てるのです。
あとは練習あるのみ!
これできっと素敵なプレゼンテーションができるはずです。
余談ですが、
たとえ上位にコミュニケーション®を持っていたとしても、
練習の無いプレゼンテーションというのは80点で終わってしまうもの。
端的に話す訓練をしたり、
(コミュニケーション®2位の私はロジカルコミュニケーションの
トレーニングがすごく有効でした)
聴衆に合わせて言葉のチョイスにこだわるなど、
持っている資質を極めるためにどんどん投資をしていきましょう。
いかがでしたでしょうか。
特に新入社員のうちは、1年くらいするとストレングスファインダー®の結果が
大きく変わることがあります。
あまり結果に縛られすぎず、ほかにもまだまだ眠っている才能があるんだ
という気持ちで、本人たちの自信を高めるように
行動の後押しをしてけるように活用してみてくださいね。