
ストレングコーチの知識茂雄です。
ストレングスファインダーに関連してよく質問されるのが、
「私にはどんな職業が向いていますか?」
というもの。
それに対する教科書的な答えは、
「ストレングスファインダーは、適職診断ツールではないのでわかりません」
です。
いや、そもそも適職なるものが存在するのかすら、個人的には疑問です。
まぁでも、これってたぶんに建前的な話しではあります。
「そうは言っても、どう考えても向いてない仕事はあるだろうに…」
と思われる方も多いでしょう。
確かに、「社交性」がうーんと低い私が、外回りで飛び込み営業ばかりさせられる営業職についたら一ヶ月ともたない自信があります(笑)。
「調和性」「自我」が上位でもあるので、数件回って門前払いをくらったら、それだけで確実にやる気が失せ、自信喪失しますから…(^_^;)。
それでも、「営業」という仕事をもっと大きく捉えたら、上で書いたような営業スタイルばかりではないですよね?
例えば「親密性」上位の人であれば、ルート営業的に既存顧客との信頼関係をベースに長期的にフォローしていく役回りであれば、問題なくこなせると思います。
そういう意味で、ストレングスファインダーが教えてくれるのは、職業そのものではなく(それがどんな職業なのかは関係なく)、働き方(ワークスタイル)の部分なのです。
言いたいのは、職業そのもので向いている、向いていないを判断してしまうと、その分可能性を狭めてしまうことになるので、もったいないということ。
皆さんの周りを見渡しても、同じ職業に就き優れた成果を出している人たちが、皆同じようなタイプかというと、決してそんなことはないですよね。
少しニュアンスはずれますが、ストレングスファインダーを開発したギャラップ社が実施したリーダーシップに関する研究によれば、優れた成果を出しているリーダーに共通した資質はなかったとのこと。
すなわち、リーダーに向いている資質、向いていない資質など存在しないということ。
そして、優れた成果を出すリーダーの唯一の共通点は、“自分の上位資質を強みとして活かしたリーダーシップを発揮している”ということだったのです。
仕事についても同じことが言えるのではないでしょうか?
もちろん、どう頑張ってもうまくいかないことだってあると思うし、“諦める”ことが最善であることだってあるでしょう。
それでも、短絡的な“向いている、向いていない”で物事を考えていくのは、繰り返しになりますが、“もったいない”と思うのです。
職業選択においては、まず自分にどんな仕事が向いているかを考えるのではなく、(自分の上位資質も踏まえ)どんな仕事を“やりたいのか”(自分が活き活きとするのはどんな時か)を考える。
そして、その次に自分の得意な、成果の出る働き方を自分の上位資質からイメージする。
この二つを組み合わせれば、自分が充実感をもって取り組める職業と働き方に出会える可能性は高まると思います。
ストレングスファインダーはツールでしかなく、ツールは自分が幸せになるために効果的に使ってナンボ。
その意味で、“向いている、向いていない”の可能性を狭める方向で使うのではなく、自分のやりたいことをどう自分の上位資質を活かし、うまくやっていくかを考えるために使って欲しいなぁと思います。